若者に聞こう

昔は「わからないことがあったら、年寄りに聞け」と言われて育った。年寄りの「知恵」が大きく人生を左右するようなこともあった。「年寄りの知恵袋」と言われた。
でも、最近はわからない事は「若者に聞け」と言われているように思う。
京阪六地蔵の駅で、切符を買おうと思って、券売機と思われるものの画面をタッチすると、けたたましいほどの警報音が鳴って、自分はどんな大間違いをしたのかと、あたふたしていると、側にいた学生さんらしき若い女性が「それは券売機ではないです」と教えてくれた。ではどうしたらいいのかと思っていると、小さな子どものお母さんらしき方が、「その券で、行った先の駅で支払うようです」と教えてくれた。
昔の知恵では歯が立たない。新しい機械がどんどんと出て来る。コンピューターのようにすぐには更新できない。銀行のATMも減って、駅の券売機も消えた。
車掌さんも、駅員さんもとうの昔にいなくなった。やがて運転手さんもいなくなりそうだ。きっと、乗客もいなくなって、町にも人はいなくなりそうだ。どうか悪夢でありますように。