こんな本を貸して頂いた。話題になっているのだろうか。この類の本や陰謀論は大きな事件や政府に都合の悪いことが起こると、国民の目を逸らせ、うやむやにするために出て来る。「フィクション」と書いてあったから、作り話なのだろう。
しかし、政治家が狙われるのは、絶対に止めさせなければならないが、陰謀論をもってくれば、いよいよ闇が深くなるばかりである。こういう姑息な手段ではなく、正々堂々と旧統一協会や政治資金問題に取り組むべきだろう。
ケネディー暗殺事件が未だに疑問が残るのも、同じような事情だろう。
新兵器開発をする時は、「UFO」や「宇宙人」の陰謀論が流れ、細菌兵器だったら、「幽霊」や「オカルト」。ロボット開発なら、「イエティ」や「ビッグフット」等など。
陰謀論は、社会のガス抜きで、国民操作の手段でしかない。
人は自分が大切にしているものを汚してほしくはない。その裏に不都合なことがあれば、陰謀論で誤魔化したい。事実と真実から目を逸らして、本当によいことを成し遂げることはできない。
安倍さんの暗殺事件は、山上被告がその場でつかまり、映像まであっても、彼がやったことにはしたくない。でも、それを誤魔化すことは、死者への冒涜である。
「自衛隊で軍事的なことを学んだが、たったひとりで、ほぼ素人と言っていい人間に、国家を動かす重要人物を殺害することができる」という事実を消してしまいたいのだろう。
この後、岸田首相にも爆弾テロがあった。
誰でも、VIPを殺害できる可能性はいよいよ高まった。
池田小学校や秋葉原の事件は、不満を弱者に向けたものだった。
しかし、安倍さんや岸田さんのテロは、主義や主張の定かではない「私怨」と呼ばれるかも知れない個人による犯行である。もちろん、その根が旧統一協会という政治がらみであったことは事実だろう。
学生運動時代のセクトやオウム真理教のようなカルト集団なら、いざ知らず、個人による国家の重要人物の殺害が可能であるということは、「誰にだって、国家を揺るがすテロができる」ということになる。
それにしても、この国には、こんな恐ろしいことをする人々が日常生活を共にしている。それなのに、私たちは「日本は平和でいい国だ」と言い続けている。この平和で穏やかに見える国の中に、怒りや憎しみや不満や歪みがマグマのように溜まっていることから、目を逸らしているだけかも知れない。これらの陰謀論のように。そんなことを続ければ、安倍さんのテロで目覚めた人たちが、雨後の竹の子のように現れることになる。
『陰謀論』で誤魔化すのではなく、個人が追い詰められない社会をつくることや、テロに走らなくてもいい「希望に満ちた、富やコネなどによる不公平のない、自由で開かれた平等な国家」を作ることを真正面から取り組んでいかなければ、本当の解決にはならない。
特に若い人達の希望と夢の実現を妨げないでほしい。
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