今の若い人たちは、「地獄に落ちる」ということを信じているのだろうか。私たちが子どもの頃は、「悪い事をすると地獄に落ちる」と言われて、とてもコワイと思った。血の池地獄、火の池地獄、針山地獄、身体を切り刻まれるとか、石のローラーで潰されるとか、トゲトゲのムチで打たれるとか…。
闇バイトの事件を聞くと、若い人達が多いことに驚く。やはり、「悪い事をしたら地獄に落ちる」ということを習っていないようにみえる。
「転スラ」のような「転生」物が、アニメの世界では人気のようだけれど、現世でろくでなしでも、転生するとヒーローになれるみたいな話のようだ。
「親ガチャ」という言葉が一時流行っていたが、どの家に生まれ、どんな才能を持っているかなどの先天的なものによって、人生は決まり、本人の努力の意味は希薄と思うのだろうか。
でも、現実の世界は、学校へ行っても息苦しく、競争社会で、落伍者には幸せな人生は無いと感じる。頭もそこそこ、身体能力もそこそこ、これからの人生もそこそこだと、わかってしまう。
何もしなくても、ヒーローのような人生を送りたい。これが夢なのだろうか。
それでも、「イジメられ」「苦しめられ」「酷い目に遭わされる」等など。理不尽なことがいっぱいある。そんなことをした人と一緒に天国になんか行きたくもない。そんなヤツは「地獄に落ちろ!」と思うだろう。
本当は「転スラ」のように、引きこもり、オタクでも、人を害することのない人の方が、天国に近い。それに、この種類のアニメの主人公たちは「心がきよくて、良い人」が多い。だから、この世的に無視されているようでも、転生したら、立派に生きるだろう。
その反対に、憐れみの心を持たず、自分だけが幸せで豊かな生活を享受している一般に成功者と思われている人の方が地獄に近い。
地獄はそういう人たちのためにある。
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