法治国家

韓国ドラマの「トンイ」の中に、ヨニングンという王子が出て来る。彼は「小学(朱熹⦅朱子⦆の書いた初等教育用)」で儒学を学んでいる姿が描かれている。やがて「大学」も身に着けている様子を粛宗王(チ・ジニ⦅チャングムのミン・ジョンホ⦆)に知られ、王はとても喜ぶというシーンがあった。
李王朝は中国に朝貢し、世子冊封され、王として認められなければ、王にはなれない。光海君もその一人だった。そんなように中国の半分支配下にあったせいか、朝鮮の王様は儒教を身に付けなければならなかったようだ。
儒教はご存知のように、今では「封建的」と呼ばれて廃れているいるけれど、当時の中国人にとっては、とても大切なものだったのだと推察できる。
秦の始皇帝が「坑儒焚書」したのは有名な話だろう。王になった者は自分の好きなようにやりたいだろう。しかし、それが「横暴極まりないもの」であれば、民衆が不幸になる。そんな王を抑えることのできるものが必要となる。
孔子は周の王朝等をお手本として、「人としてのあり方」を説いたのだと考えられる。封建制度(ピラミッド型上下関係)を打ち砕く「民主化」は当時、願うこともできなかったかも知れない。しかし、そうであればこそ、その上下関係の中で、少しでも人間らしく生きる方法を探り、人々が平和に生きられるようにと、まとめたのだと思う。そのために科挙を行い、絶対王政さえも、従うしかない「有能な官吏」を選び出すことをしたのだと思うし、「王たる者はその官吏を使いこなせるほどの『儒者』」でなければならないと、王を縛ったのだと思う。
今、アメリカでは、誰もトランプさんの首に鈴を付けられないし、国民も好きなようにやらせたいようにさえ見える。プーチンさんも同じだろう。それがキリスト教国家であることが、何よりも悲しい。キリスト教は王の横暴を止めることができない。というより、煽ってさえいるように思う。中国も共産党になり、文化大革命を経て、儒教や道教などの文化人を迫害した。習さんも含めて、彼らは、「小学」を学ぶために、小学生からやり直した方がいいかも。
表面上民主的に見えているから、実は「封建的な身分社会」になっているのに、儒教のような「王(君子)たる者の資質」が問われなくて、首に鎖を付けられないのかも知れない。
アメリカもロシアも中国も、民主主義でも大統領制でも、共産主義でもないただの「専制君主制国家」に成り下がっていて、とても法治国家とは言えない。

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