
おすすめ頂いて、ネットフリックスの「西部戦線異状なし」を観た。
あまりにも、悲惨な白兵戦というのか、肉弾戦というのかに、戦争のむごさを感じた。最近はこうした戦争物の映画をほとんど観ることもなかったし、第一次世界大戦のものを扱ったものもあまり観ていない。子どもの頃は、「トラトラトラ」など映画など第二次世界大戦に関する映画やテレビ、漫画などたくさんあった。今は朝ドラの「あんぱん」にも多少は描かれているようだ。以前の「ゲゲゲの女房」の方が、多めに描かれていたように思う。水木しげる氏は戦争の悲惨さの中から、「ゲゲゲのきたろう」を思いついたのだろうと思った。
第二次大戦後の日本は、敗戦国として「ヒロイズム」に浸る雰囲気はなく、厭戦気分が満ちていて、「戦争に勝者なし」みたいな言い方をしていたが、加害国としての反省をどこまでできているのかは心配だ。
映画の最後に、将軍が勝利で戦争を終えたいという気持ちから、午前11時に休戦となるのに、10時45分に戦闘を開始させ、たったの15分で、それまで生き延びて来た者たちが絶望の中まさに「無駄死に」をしていく、不毛で、無意味な戦死を遂げる。こういうどうしようもない将軍のような人物がいる。たぶん今の時代にもいる。一人の狂信によって、多くの有為な人々の命をゴミ箱に入れるような。
現在、ウクライナで、戦争が行われていて、これよりも悲惨な状況が続いているのだろうと思い、人間の愚かさに嫌気が刺す。歴史から何も学ばない。将来を目指して、建設的で平和な世界を作ろうとは考えられない。
人の国でも、人の家でも、人の心でも、人の命でも、土足で踏み込んで来て、傍若無人なことをして、「自分はエライ」と思っているのだろう。
「高慢につける薬は無い」。プライドとか、名誉とか、自分や自分の国を何か特別なものだと思い込み、また若い人たちを煽って、戦争に駆り立てる。そして、「命・人生・生活(=life)」を失ってしまう。
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