クリスマスケーキの呪い👿

 ――― むかし、むかし、あるところに、それはそれはかわいらしく、頭のよい女の子が住んでいました。お父さんは、一流企業の部長として、お母さんは、専業主婦として、とても幸せに暮らしていました。それこそ、『蝶よ、花よ』と言われて愛されていました。
 ところがある日その子の人生に暗雲が立ち込めました。それは、彼女が24歳のお誕生日を迎えた日のことでした。
 ご両親は言いました。「今日で24歳、それは、クリスマスイブということだ。25歳はクリスマス。クリスマスケーキが一番売れるのが、クリスマスイブで、クリスマスになるともう売れなくなるんだ。それと同じように、24歳の今年、キミは一番高く売れるけれど、来年25歳を迎えるともうほとんど売れなくなってしまうんだ。そして、もし26歳になったら、廃棄処分にされるんだよ。だから、今年結婚しなければ、キミにはもう価値がなくなるんだ。いいかい、そのことをようく肝に銘じておきなさい。それでも、昔よりはよくなったんだよ。昔はね、18歳でも、晩婚と言われていたのだから…。いい世の中になったものだね。」―――

 この昔話は、私の妻が二十歳過ぎに会社のオジサンたちがみんな言って、妻に結婚を親身になってお奨めしてくれた話を元に作ってみました。

 私の母の話は以前にもしたかも知れませんが、「生じては親に従い、嫁しては夫に従い、老いては子に従え。」というのが、女の幸せと言われていました。女には自由はありません。ただ、家事と子育てをして、子どもに『迷惑』をかけないように、静かに死んでいくべき、と。(そう言えば、最近のコマーシャルにも似たような言葉が…)

 教会の牧師として言わせてほしいです。「クリスマスケーキの呪い」なんてありません。「呪い」があるとしたら、それは、あなたが自分自身で持っている『思い込み』です。その思い込みを小さな子どもの頃から、「当たり前」とか「常識」とか「みんなやっている」とか「みんなそう思っている」とか言われて、知らず知らずのうちに刷り込まれて来たものです。

 聖書の言葉に、「真理はあなたがたを自由にする」というものがあります。呪いから解放されますことを心からお祈りしています。


 

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