
少子化の主な原因は、「経済的理由・未婚晩婚化・子育ての難しさ」だと、多くのメディア等で言われている。たぶんそうなのだろう。
個人的に感じるのは、「生活が苦しい」ということだと思う。生きること自体が苦しくなっていて、楽しくないように思う。
バブルの頃までが、戦後の日本はずうっと昇り調子で楽しかったように思う。
「生活が苦しい」というのは、単に経済的な問題だけではない。年寄は邪魔者扱いされたり、学校や職場でのいじめが無くならないことや、たぶん素朴に「夢が持てない」「先が見える」or「先が見えない」「なんか不安」「将来に希望が持てない」等々漠然とした「息苦しさ」=「生き苦しさ」のようなものが、日本を取り巻いているように思う。
子どもの頃よく聞いた言葉がある。「貧乏子だくさん」。この言葉を裏返すと、「お金持ちの少子化」ということになる。そう言えば、「ディンクス (DINKS)」という言葉があった。「Double Income(共働き)No Kids(子どもを持たない)夫婦」の略らしいが、「子育てには金がかかるから、子ども無しで、夫婦だけで楽しく生きよう」的なことを言っていた。たぶん、私たちの世代から少し下くらいまでがそんな煽りを受けたように思う。それが、今も続いているようだ。
当時は、むしろ人口増加を心配していたから、そんな言葉と意識が生まれたのだろうけれど、その後バブルが崩壊した時に、単純に「子どもなんて作っていられない」「結婚なんてしていられない」になったように感じる。
この国の未来に「夢や希望」を持つことが難しくなっているのだろう。それは、先進国の中でも多く感じられるのだと思う。地球温暖化や食料難、エネルギー問題、戦争や紛争。そして、途上国の人口爆発等々、難題のてんこ盛り状態である。
こんな時代に生まれて来る子どもが幸せになれるのか。生まれて来た子に未来はあるのか。そう思うと出産も結婚も恋愛も考えものになってしまい、二の足を踏むことになる。
生まれて来た子に、「ゴメンね、こんな時代に生んでしまって…」と謝らなければならない。
第二次世界大戦が終わった時、ベビーブームが来た。それは、「これからは戦争のない、豊かで、いい時代になる」と思えたからだと思う。しかし、今は「そんな『お気楽なこと』が言える時代ではない」と同調意識高い日本人はみんな思っているのではないだろうか。
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