国勢調査員をしてみて

 今年は国勢調査の年で、町内会長の当たり年だったので、調査員になった。以前にも一度したことがあったが、久しぶりだったので、やはり難しさを感じた。
 一番感じたことは、地域社会が崩壊しているということだった。町内会の人数も少なくなって、高齢化している。役員のなり手もいなくなり、町内会をやめたというところも増えている。合併するのも難しく、新しい人も入ってこない。町内会の行事もどんどん縮小されている。
 そんな中での国勢調査は、「もう無理!」だと思った。
 実際は調査対象の人数は増えているが、マンションに住んでいる人たちで、地域との関係はほとんどない。管理会社に問い合わせても、「個人情報は出せない」とのことで、誰が何人住んでいるのかわからない。集合ポストに調査書を入れるだけとなった。まぁ、楽と言えば、楽だけれど。
 確かに、町内会は面倒くさいと感じるのも無理はない。昔からある地域社会にはいろいろな「縛り」がある。ここへ来て三十年くらいになるけれど、最初は「なぞ行事」と思った。
 元々、広島の出身なので、風習も慣例もかなり違うし、祭りとか地域行事とか、正直わからない。ただ、言われることを言われるようにするという感じだった。徐々に、なぞ行事の様子も理解できて来たが、依然なぞに思うものもある。
 若い人だけではなく、他所から引っ越して来ると、子育てでもしていなければ、関わらない方が安全だと思う人も多いのだろう。
 そうして、誰が住んでいるのかわからないようになる。別に今に始まったことではないのだろうけれど、最近はいよいよ進んで、崩壊状態だろう。
 どうしたものか、本当に難しいと思うだけだ。
 みんなで、仲良く楽しく生きるというのが、一番難しいことかも知れない。それは、地域社会だけではなく、家庭崩壊をも意味しているのかも知れない。

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