異世界転生ものアニメとは…

 「冒険者もの」と同じような感じだけど、「異世界転生もの」もたくさん作品があるみたいだ。でも、この「異世界転生もの」というジャンルを生み出した人は誰なのだろうかと思うが、天才的なものだと思う。ここには「全くの自由(なんでもあり)」が存在するようだ。VR(仮想現実≒コンピーターの中≒ゲームの中)の世界に自分のアバターとして新しく生まれるという感じにはとても魅力を感じる。法律も常識も価値観も科学的な法則もすべて書き換えることができ、設定も条件も好きなものを選べる。とても「自由度」が高い創作が可能であるようだ。
 一時期「親ガチャ」などの言葉がはやっていたが、仮想現実の中では、親も家族も国も世界も自分の好きなものを選ぶことができる。実際、「親ガチャ」以上に「国ガチャ」の方が不幸である場合の度合いが大きい。「時代ガチャ」も「世界ガチャ」もある。
 「どんな世界の、どの国の、どの時代に生まれて、どんな階級の人生を送りたいか?」と尋ねられていて、また選ぶこともできる。
 その時に「女神(神)」の気まぐれで「ハズレ人生」になることもある。ここに出て来る神観はギリシア・ローマ神話に出て来るイメージが強く、自分勝手で、人に対しても横暴でわがままであるというようなとても神とは思えないような存在である。人生に失敗したら、神を恨みたくなる気持ちがわかる。
 たぶん、一つのお決まりのようなものが、「さえない男の周りにとびきりの美女にたくさん囲まれた人生」みたいなハーレム的なのが多いように思えた。ただ、面白いのは、その美女たちが、「ドラキュラ、天使、エルフ、獣人、魔法使い…」様々な種族なのである。そして、主人公は種族間の差別意識を嫌い、どの種族でも愛せるような心の広い人物のようだ。

 こうしたアニメなどを見ていると、現実世界での今の人生に疑問を感じたり、逃げ出したいと感じていると、「輪廻転生」や「自分勝手な神」とか、神から与えられる「能力=天賦の才」のようなものに憧れを持つだろう。そうした「運命的」なものを案外あっさりと受け入れているように見える。しかし、それに加えて「努力」とか「精進」とかで「スキルアップ」をして行き、そのスキルを徹底的にやるとどんな「ハズレスキル」でも、「最強」になれる…的な要素もある。

 こうした、感じが現代人の願いや夢なのだろうかと思った。
 現実の世界でひどい目に遭っていたら、生まれ変わって新しい人生を、と考えたくなるのはわかる。輪廻転生はそういう人たちの願いを叶えてくれるものなのだろう。そうであるなら、自殺したくなる気持ちを助長するような気がした。また、ゲームの世界やこうしたアニメの世界へ行きたいとも思うだろう。
 「ゼルダの伝説」をお勧め頂いてやったが、ほぼネクラのオタク人生を生きて来て、スポーツも好きではないし、アウトドアも好きではない私には、全く別人になって、新しい世界に出て行った感はとても刺激的で魅力的だった。

 それでも思うことは、考え方や見方などを変えることで、現実世界が「別世界」になり、ハズレスキルが特技に変わり、悲惨に思える人生が訓練や修練や精進の場となっていて、スキルアップにつながっていると思えると、苦しみや痛みが少しは消えるかも知れない。
 人生こそが、最大の「ダンジョンクエスト(攻略)」だと思う。
 皆様の人生に、まことの神様からの救いと御加護とお導きがありますように、お祈りします。

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