私のお友達の「虫展」の作品です。
とても素敵だと思いませんか。
私の恩師の太田儔先生も、漆器の作品によく虫の蒟醤を彫っていました。特に殿様バッタ(いなご?)が好きだったようです。それが、水墨画のように美しい。
学生の時、彫刻で卒業しようと思っていたら、ある日突然、担当の先生に「お前は太田先生のところへ行って、漆で卒業しろ。」と言われて、ビックリして抗議しましたが、無視。仕方なく太田先生のところへ行くと、「それはひでぇ、私のところに来なさい。」と言われて、とても可愛がって頂いた。その後しばらくした時に、彫刻の先生に、「何で?」と文句を言うと、机の引出しを開けて、「これをもらった。」と言って、漆器の香盒で、上蓋に「殿様バッタ」の蒟醤が施されていた。まごうことなき、太田儔先生の作品。当時の価格で、四十万はするものだった。
「私は売られた。」のだと、思った。これは人身売買にあたるのかな。
自分に価値を見出せなかった頃だったので、「ありがたい」と思ったけれど、それは、「卑屈だった」ということなのかも知れない。
コメント