
何だか随分と久しぶりにバスに乗ったような気がしました。コロナになってから、公共交通機関をほとんど使うこともなくなり、近所に徒歩か自転車で行くくらいでしかなかったのが、最近は少し遠方にも出かけられるようになって来て、コロナ前に戻って来た感じがするように思います。
心配性なので、その中でも、バスに乗るというのはハードルの高いものでしたが、本当に久しぶりにバスに乗りました。
そうすると不思議なことに、初めて「ワンマンカー」に乗った頃のことを思い出しました。写真のボタンは最近のものですが、昔は「緑の本体に白いボタン」が下向きに付いていたように思いますが、今どきのものは「とまります」なんて、光ってくれます。そして、何よりもその数の多いことに少し驚きました。一人に一個くらいの勢いで付けてくれている感じです。昔は「おります。ボタン押してください」なんて言葉もあったように思います。
それより以前は、車掌さんが乗っていて、首から長い紐で口の開いたカバンをぶら下げていて、お金のやり取りをしていたように覚えます。
車掌さんを雇うお金よりも、大量のボタンを付ける方が、安上がりなのでしょうか。そうやって、便利なのか、安上がりなのか…。駅の改札も、銀行のATMも、最近ではスーパーの自動支払機も…。
人が対面で応対してくれることが一番の贅沢なようにも思えます。
お茶を習っていた頃に、たった一杯のお茶を飲むために、これほどの手間と時間とお道具と技を駆使するのをとても面白いと思っていましたが、今はそれこそが一番の贅沢なのだと思います。
首からカバンを下げた車掌さんが優しい笑顔で、揺れるバスの中で器用に立って、料金のやり取りをしてくれていたことの記憶が、今では贅沢なものだったことに思います。
最近「昭和レトロ」という言葉がはやっているみたいですが、「昭和レトロ」の醍醐味は、「人のぬくもり」なのではないかと、思います。
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