310万人の『尊い犠牲』

 第二次世界大戦での日本人の犠牲者は、310万人で、『尊い犠牲』と呼ばれている。私の叔父も原爆による被爆死だった。父も母もその兄弟姉妹も帝国日本のために、戦争をした。
 しかし、負けた。戦争で、最大の失敗は『負ける』ことである。負ければ、総ての努力も犠牲も無駄になってしまう。
 もし、『尊い犠牲』を無駄にしない方法があるとしたら、「二度と戦争をしない」という決意だろう。
 どうして、負けるような戦争をしたのか。なぜ、負けたのか。
 大学院時代の所謂「戦争に行けなかった父たち」の一人だった教授は、毎日のように第二次世界大戦の問題点を考察しては、説明してくれた。しかし、どれだけ、考察や分析を重ねても、「勝つ」ことはできない。
 二年経って、最後の最後に教授は言った。「こんなバカバカしい話をいつまで聞いているんだ。」と、怒られた。
 「いくら話しても、負けは負けだ。日本が勝ったことにはならん」。

 中国人の犠牲者数は、1300万人とあり、900万人は民間人だ。この人たちを殺したのは、日本人ということなのだろう。中国人や朝鮮人の犠牲は『尊い犠牲』ではないのだろうか。

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