
小6でクリスチャンをやめて、悪魔の声に影響されながら、それでも一方で神(聖霊)様の声にも導かれながら、生きていく人生とは、矛盾と極端の連続のようなものだった。頭の中に、よく「天使と悪魔」という表現が出るが、当然自分の思いもある。私の心は、この三つの、自分(人格)、悪魔(魔格)、神(神格)の『三格』が戦う戦場(バトルフィールド)となった。そして、やたら強い『霊性』のために、現実世界に様々な影響が表れた。
怪奇現象と思われるものや、超常現象と思われるものや、神様の奇跡や、様々なタイミングの良さ・悪さ等々。
霊の世界の言葉は「イメージ」が主なものなので、夢や幻の中に示されるものが、ごちゃごちゃに現れ、近未来の映像は多かった。
大学で美術を習ったことは、これに拍車をかけた。特に印象派的な想像力は大きな力となった。
時々相手が話すよりも先に応えていたり、相手の話す言葉を先に話したりもするようになった。
天国と地獄が何度も入れ替わり、混乱することも多かった。意識がもうろうとしている中で、いろいろな判断をすることも多く、後で夢から覚めたように思うこともしばしばだった。
そして、悪魔・悪霊の語りかける言葉の巧妙さやズルさには、何度も騙され、振り回された。神を捨てたはずなのに、神様は私の中に密に隠れていて、時々とてもいい導きを与えてくれた。
だから、恋愛は誰しもそうだと思うけれど、感情をかき乱すのにもってこいの素材なので、何度も恋をしては失恋するということが、結局、妻と結婚するまで続いた。
本気でやろうと思った人間国宝の道も閉ざされ、絶望した。折角なれた高松の中学校の美術教師なのに、何もやる気がしなくて、辞めてしまった。そして、すべて捨てて、実家に帰り、一年近く引きこもっていた。
その時、高校の友人の弟が統一協会に入ったから、脱会のために手伝ってくれと頼まれ、仕方なく着いて行き、宇部の教会で故村上密師に会い、クリスチャンに戻った。
しかし、教会生活を送る中で、事故が起きた。熱は排出せず、空気だけ入れ替えてくれるという換気扇のスイッチを入れ忘れて、石油ファンヒーター(ストーブ)を点けっぱなしで、寝てしまった。
夢の中で、「東くん」と呼ぶ、村上先生の声で目を覚まし、早天祈祷のために集会室に行った。村上先生が私の顔を見てすぐに、「鼻の下が黒くなっているよ」と言われ、鼻の下に指を当てて擦ると真っ黒い墨汁のようなものが付いて、ビックリし、トイレに行って、両鼻の穴に両指を入れると黒いゴムのキャップをしたように真っ黒くなった。とても驚いた。そして、ふっと頭に浮かんだので、自室に走って帰って、扉を開けて中を見たら、部屋(六畳)の中が、向こう側が見えないくらい、煤で煙っていた。急いでストーブを見ると噴出孔の羽根が煤だらけになって、立ち消えていた。
そして、その部屋の空気で息をすると、めまいがした。たぶん酸素は無くなって、一酸化炭素が充満していたのだとわかった。急いで窓を開けた。
そして、自分は「死んでいた」のだと、悟った。
村上先生に事の顛末を話すと、「ラザロのようだね」と言われて、しばらくラザロがあだ名みたいになった。
その後、酷い頭痛が続いたが、とりあえず回復し、特に後遺症もなかった。
神様を捨て、悪魔・悪霊の声に耳を傾け、その力を使い、周りに多大の迷惑をかけた罪は「死」をもって償わされることになった。
「蒔いた種は刈り取らさせられる」というのは真実だと思った。
私はその後、与えられた命を神様のために使わなければと思い、今も神様に仕えている。


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