
アメリカでトランプさんを推しているクリスチャンの人たちの間で「新使徒運動」に属する人たちがいるというニュースが流れていて、異端のような扱いになっていると思うけれど、異端とまでは言えないと思う。
教会の中での「使徒」の扱いは微妙で使徒職については保留というのが、一般的だろう。
教会の役職として聖書に載っているのは「使徒 預言者 伝道師 牧師・教師」と出て来るのはエペソ書だけで、後は「使徒 預言者 教師」で、「伝道師 牧師」は後から付け加えられた役職だったと考えられる。
そして、「使徒」に関しては裏切者のユダの代わりのマッテヤという人物が選ばれているがその時の選考基準を当てはめるとパウロの使徒は認められないことになる。しかし、パウロは使徒として扱われているから、十二弟子以外にも使徒の存在を認めなければならないことになる。
使徒は教会の中では最も権威のある役職となるので、長年に亘って教会は使徒職を置いて来なかったのだと考える方がいい。
カトリックだと、使徒の代わりに「教皇 法王 枢機卿」みたいな役職を置いて来たのだろうけれど、プロテスタントにはそう言ったものはなく、すべて「牧師」になるだろう。
そこで、一般の牧師よりも力のある牧師として「使徒」という名称を使いたかったのだろうと推測できる。実はもう一つ「預言者」という役職があるが、こちらは旧約聖書の色合いが強く、また「ニセ預言者」という厄介な存在が頻繁に出て来るので、預言が当たらなければすぐに「ニセ預言者」と呼ばれることになる。その点、使徒には「ニセ使徒」という呼ばれ方はあまりされない。それはズルいけれど、預言が当たらなくても「ニセ使徒」と言わせないための方策に思える。
だから、アメリカのクリスチャンたちも「危険視」していても、異端やカルトとまでは言えないのである。
トランプさんがバイデンさんに負けた時のことをヒステリーな程に批判しているのは、トランプさんの問題ではなく、「トランプさんが大統領になる」と言った「新使徒」のチェ・アン氏あたりを「ニセ使徒」と言われたくなく、権威を守るために必死だったのだと考えられる。
彼らが「新使徒」ではなく「新預言者」として登場していたら、トランプさんが落選した時点で「ニセ預言者」と呼ばれたと思う。
以前に韓国で確か再臨の預言をした人がいて、その日のその時刻になっても再臨が起こらず、暴動が起こることが予測されて、即刻警察に保護されたということがあった。
韓国では、統一教会などでも有名だけれど、「再臨」とか「終末」とか「悪魔」とかが好きで、「自称預言者」「自称使徒」「自称キリスト」とかがたくさん出て来る。欧米ではそれらはニセモノだと常識的に受け止められているから、なかなか出て来ない。
そうした状況で、チェ氏辺りが新使徒だと名乗れるのも韓国出身だからに見える。それに振り回されているアメリカ人にも困ったものだと思う。
本来なら、トランプさんが大統領にならなかった時点で、消えなければならない存在である。それを「盗まれた」ということで誤魔化したのは、新預言者ではなく新使徒だったからだろう。しかし、冷静に考えれば、使徒は預言者の上位者なので預言が外れた時点で一発アウトである。だから、本来はそれが怖くて自分を使徒とするのは控えるだろう。
統一教会の文鮮明師の「再臨のキリスト」を「真のお母さま」に挿(す)げ替えたように、「ニセ使徒」となるべきところを「盗まれた」としたのだろうけれど、こんな見え透いた誤魔化しが効くほどアメリカの教会は劣化しているのかと思うと残念過ぎる。
そもそもトランプさんが人格的に破綻していることはある程度了承済みだったのだと思う。
日本人にしてみたら、「新使徒」は「シン・エヴァンゲリオン」に登場する新たな「使徒」くらいのイメージの方が強いだろうから、強敵の化け物くらいに思えるのかも知れないが、そこまでヒステリックに受け止める必要はないと思う。


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