世襲の弊害?!

小林製薬の『紅麹サプリ』の問題がニュースに取り上げられている。「同族企業」の弊害であると断じている人もいる。

プラトンの『国家』(岩波文庫)の中に以下の言葉がある。
「もし自分自身の子供として銅や鉄の混ぜ与えられた物が生まれたならば、いささかも不憫に思うことなく、その生まれつきに適した地位を与えて、これを職人や農夫たちの中へ追いやらなければならなぬ。またもし逆に職人や農夫たちから、金あるいは銀の混ぜ与えられた子供が生まれたならば、これを尊重して昇進させ、それぞれを守護者と補助者の地位につけなければならぬ。そのようにすることこそ、『鉄や銅の人間が一国の守護者となるときその国は滅びる』という神託を守るゆえんなのだ」
一見厳しい言葉のように見えるが、「国家」をつくるために必要なものは『正義』であるということを論じるために、理想的国家像を描く中での言葉である。

同族企業の不祥事は多い。それは、消費者よりも「経営者=家族」を優先したからだろうと思われる。企業は国家ではないが、プラトンは『国家』をモデルとして、組織や個人の中において、『正義』が大切であることを論じている。

「我が子や家族は何にも代えがたい」だろう。でも、その「才」に恵まれていなければ、引き継がせることは、結果的に滅びを招く。それが国家レベルになると悲惨極まりない。
世襲によって、親や先祖の才能や教育を受け継ぐ者もいる。しかし、そうでなかった場合は引き継がせるべきではない。それは、その子にとっても不幸であるが、企業や国家であれば、その影響は計り知れない。家族を守るために『正義』を見失ってしまう。

明治以降、西洋哲学が大量に入って来た。このプラトンやソクラテス、アリストテレスなども入って来ただろう。しかし、日本には未だに定着しているようには見えない。もし、定着していれば、『お家騒動』は軽減されていただろう。但し、プラトンの思想には大いに問題点がある。ナチスの純血主義や優生保護法に通じるものもある。批判すべきは批判しなければならない。
哲学とは「知を愛すること=フィロソフィー」である。日本ではよく、「考えても仕方がない。諦めろ!」と言われる。それは「理不尽なこと」が多いからかも知れない。その「理不尽」の正体は…。

「人の上に立つべきでない者が上に立つこと」は、黙示録では、滅びの兆候である。

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