子どもの頃のヒーローもののアニメで、とても好きだった。当時は設定や背景等よくわからないで、ただカッコイイと思って見ていた。それでも心に残るオリのようなものが、少しずつ積もっていって、何だか不安定な気持ちになっていく。
「虎の穴」という、悪役レスラーの養成所や、「みなしご」という不幸な子どもの施設等など。戦後のどさくさとか、戦争孤児とか、精神的な荒廃や、福祉意識の欠如等など。
非人道的とか、人権意識の無さとか、残酷さとか…。そうしたものが当たり前の世界観のアニメだったのだと、気が付く。
戦争孤児だったからなのに、「人さらい」とか、「ててなし子」とか、国家の治安の悪さや無責任などの中で、世間の冷たさや非情さの中で生きていく姿を描いていたのだろうと、今は思う。
「『敗戦』したから、仕方がない!」が、スローガンだったような時代だった。
悪役レスラーとして養成されたのに、それを止めて「虎の穴」と戦う。
何か、悲しい話だった。
「仮面ライダー」や「サイボーグ009」も人権など無視されたものだった。
すべてが、まるで「戦中の日本兵の姿」に見えた。作家の人たちが戦争体験者だったり、近くにそうした人がいたからなのだろうか。
「今はいい日本になったよ」と、少しでも言えるようになっていればいいなぁ、と思う。
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