贅沢は敵?

確か高校生の頃、料理番組を見ていて、土井勝先生が好きになって、二冊組の本を買った。善晴先生の料理も勝先生の料理に似ていて、好きだ。
武士は『一汁一菜』だったらしい。『質素倹約』は日本人の美徳だったのだろう。江戸時代の三大改革も『質素倹約』がその根本的な思想だったように思う。私は経済学には明るくないけれど、『通貨』のことを『currency』という。これは「流れているもの」を指す言葉で、「経済の血液」と聞いたように思う。『質素倹約』はこの血液を抜く『瀉血』のようなもので、いずれは血液が少なくなって、死に至る。三大改革が失敗したのも、この『質素倹約』だったように聞いた。
でも、戦中に「欲しがりません勝つまでは」と、教えられた親たちの世代もあって、「贅沢は敵だ」と、教えられた。だからか、今でも「お金持ちは悪人だ」とか、「贅沢していると滅ぶ」とか言われて、お金を使わないように教えられた。
昔話に出て来る悪人は大体が「強欲爺さん」だった。小原庄助さんの「朝寝、朝酒、朝湯が大好きで、それで身上つぶした」という歌まで教えられて、贅沢は敵だ、勤勉が美徳だと教えられた。
日本人には、「節約遺伝子」が多いらしく、質素でない食事をすると、糖尿病になると聞いた。
飢饉と飢餓を乗り越えて、豊かな生活を手に入れても、豪華な食事をすれば、病気になる。それと同じようになのか「質素倹約遺伝子」が働いて、お金は使わない。
「貧乏人は麦を喰え」と言って、首になった首相と同郷の私は、岸田さんがまさかそんなことは言わないか微妙に不安を覚えるが、「老後に備えて、2000万円の貯金が必要だ」というのではなく、その2000万円を政府が用立ててくれて、「死ぬまで思いっきり使ってください」と言ってくれれば、不景気も円安も、老後の心配も消えて、豊かで、安心な社会になるように思う。高齢者5000万人に2000万円ずつ配っても、「1000兆円」くらいのものだと思う。戦後の日本の工業力で、これくらいのお金が国内を巡っていても不思議はないと思う。徳川埋蔵金のミステリーよりも、深い闇と陰謀を感じる。
日本人は戦後とてもよく働き、勤勉で、熱心で、どんな困難も乗り越えて来た。それなのに、どうしてそうしてこの国を築いてくださった高齢者の方々が、将来を悲観し、家族に迷惑をかけないように、毎日の生活費を切り詰めなければならないのか疑問に思う。

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