ガザ 人質解放!

 ハマスに拉致されていた人質20人が解放された。おめでたいことのようだけれども、どうも良かったと安心して言えるようには思えない。
 二年前に1200人が殺され、200人が人質にされた。あまりにもひどい事件だった。その半年ほど前に知り合いがイスラエルのこの地の近くに旅行していたので、時期が少しずれていたら、人質にされた可能性もある。本当に恐ろしいことだと思った。
 その後、イスラエルがガザに侵攻して、67000人のパレスチナ人が死んだ。ほとんどが民間人だと聞いた。それでも、先に手を出したハマスが悪いのだろうし、ハマスから人質を解放させるために必要な犠牲だと思って見ていた。
 ところが、国連が「イスラエルによる『ジェノサイド』である」と認定したことで、流れが変わったように思った。
 トランプさんが仲介したということが今回も取り上げられているが、トランプさんはイスラエルの保護者的立場であるなら、子どものケンカを止めた親として、ほめてもらうというのは奇妙に見える。
 イスラエルが「ジェノサイド認定」に対して、慌てて停戦に合意したとみる方が正しいし、もしそうなら、イスラエルが恐れているのは、再びイスラエルが世界の「嫌われ者」になることなのだと思う。
 そして、ニュースでは、イスラエル人の20人の解放だけではなく、パレスチナ人の受刑者250人とこの二年間に拘束された人1700人がイスラエルから釈放されている。

 イスラエルが第二次大戦後1948年に建国(再建)されて以降、ずうっともめているパレスチナ問題である。ローマ帝国によって、西暦70年にエルサレムが陥落してディアスポラとなり、キリスト教国であるヨーロッパでおもに差別を受け続けて来て、イスラエル人にとって、1948年の建国は悲願中の悲願だっただろう。
 しかし、1900年近くそこに住み続けて来た人々にとっては、パレスチナの地は自分たちの地であると思うだろう。
 アメリカは250年ほどの歴史でも、アメリカという国が認められているが、それは当時の原住民の国とは思えない。インデアンと呼ばれた人たちはそこへずうっと前から住んでいたが、追い出され隔離されて現在もアメリカの中に住んではいるが、本当に彼らの国だと、彼らは思っているのだろうか。
 イスラエルの再建からまだ100年も経ってはいない。そこをイスラエルの国と言うのか、パレスチナ人の国というのかは、ずうっともめている状態である。

 黙示録によると、終わりの日までイスラエル(ユダヤ人)の存在は認められている。だから、イスラエルを全滅させることはできないし、たぶん相当の勢力を持っているだろうこともうかがえる。パレスチナ問題はその日まで解決されることはないだろう。ただ、その日を「絶望的」に迎えるとしても、彼らには重要な役割がある。だから、イスラエルが理性を失った行動を取るとは思いたくない。

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