二回目の失敗

 この度、H3ロケットがまた打ち上げに失敗したというニュースを見て、何とも言えない気持ちになった。H2ロケットは失敗もあったが、かなり性能の良いロケットだったように思う。勘違いなのかも知れないけれど、「下町ロケット」とかのドラマでも出て来たのがH2ロケットで、国を挙げてのロケット開発だったように思う。H2ロケットは液体の水素と酸素を燃料にしていて、爆発的な力を利用したロケットで、アポロ計画のロケットと同じ方法の推進器を使っていたように思う。とても不安定で扱いにくい燃料をコントロールするのはとても難しいものだと思う。アポロ11号の打ち上げの衛星放送を見たこともあり、とてもワクワクして気持ちの入るロケットだった。
 H2は水素分子を表していることも好きだったし、個人的には自分のイニシャルとして利用していたので、いい名前だと思っていた。中学の時に水の電気分解の研究で、賞を取ったこともありなかなかに思い入れしていた。
 それが、H3になって、固形燃料を使うことになった時には少し残念に思った。まるで子どものおもちゃのロケット花火と同じに思えた。
 それにしても、ロケットとはとても不安定なものだと思う。箸を指の上で立てて安定させるのはとても難しい。長い物なら多少コントロールも効くと思うけれど、短いといよいよ難しいだろう。そのようなものを爆発的な力で、宇宙まで一瞬で、まっすぐに打ち上げるのは、至難の業だろう。そんな奇蹟的な技術がロケットの打ち上げなのだろうと思う。失敗する方が当たり前の中で、これまで成功を重ねてきていたのだろう。今回の失敗で8回に2回、4分の一1、失敗率25%になった。しかし、このロケットに求められる成功率はたぶん100%でなければならないのだと思う。ロケット自体(約50億円)の価格もさることながら、搭載している人工衛星(約330億円)などもとても高価なものだろう。
 最近、どこかの議員さんが、「中国に対して、日本も核武装すべきだ」と発言したとか…。核武装(是非は別として)するには、このH3ロケットが絶対必要なものだろう。勢いよく発言しての今回の失敗は、日本の『恥』となるのだと思う。ロケット技術はその国の最先端技術の象徴である。
 今頃、中国に笑われているのかも知れない。そう思うとちょっと悔しいけれど、こうした競い合いは何か不毛な気がして…。やめてほしい。ただ、今回の失敗で日本は核武装できない国になった。「非核三原則」を堅持している国としては、よかったのかも知れない。

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