ステッキ

 義父に使わなくなった杖を一本もらって、改良して自分の杖を作った。
 杖をどこで買っていいのかわからず、少し探していた。女性用の杖はバリエーションも多く、選ぶのも楽しそうだが、男性用の杖はあまりない。そして、どれも少し短いし、持ち手も華奢で小さく手に馴染まない。仕方がないので、自作することにした。
 ステンレスのパイプをいいくらいに繋いで、長くし、持ち手は木を削って作った。後ろ側につけているのは、最初から付いていた紐だが、駅でカードにチャージしようとした時に立てかけておくのが難しく、手に持ってしなければならなかったので、付け直した。
 そして、何かいい感じのものをぶら下げたいと思って、少し大きめのリングを取り付けた。
 前方に付けたのは、子どもが中学生の頃に夏の自由研究で「銅鏡」を作った時に、一個目が上手くできなかったものを捨てるには惜しくて取っておいたものを磨いて取り付けた。なかなか良い景色だと思って喜んでいます。
 ステンレスのパイプと杖を繋いだ部分を隠すために、丸形の木を嵌めたところ、電車等で椅子に座った時に手を置くのに丁度いいくらいの位置にあって、重宝しています。
 子どもの頃、たぶん幼稚園の頃に田舎の祖父の家に杖が何本か置いてあって、なぜか憧れだった。
 中高生頃には、「紳士は杖を持っているもの」と思い込んでいたので、いつかは杖を持ちたいと思っていた。イギリスの紳士が傘を持っているというのと混ざっていたのかも知れない。
 最近はめまいがすることがあるので、外に出るのが少し怖いが、杖があると少し安心感がある。
 スフィンクスのなぞなぞの「朝は4本足、昼は2本足、夕方は3本足」というのが、実感できる。
 私は右利きなので、右手で持つ方がしっくりくるのですが、右手で持つと、他のことができないので、左手で持つ練習をしています。

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