米中同盟の恐怖!

 アメリカも中国も戦前は「同盟国だった」という主張をした。この時期になって、どうしてこの話が出て来たのだろうか。
 「第二次世界大戦から八十年」ということを去年から繰り返し、とても強く日本は主張していたように思う。安部元首相の戦争責任解消の発言に共感した日本人は多いだろう。そして、今回の国連で高市総理は「『旧敵国条項』を早急に削除すべき」だと主張しました。
 だが、この主張は、中国にとってだけではなく、アメリカにとっても許せない発言だったのではないだろうか。両国の逆鱗に触れた可能性もあるし、世界を疑心暗鬼にさせたかも知れない。
 両国共に、「第二次世界大戦時、日本が軍国主義国家だったこと」は絶対に無かったことにはできないことなのだと思う。
 アメリカにしても、第二次世界大戦の敗戦国だった日本を助けて来たという意識は強い。その日本が現在大国となったのもアメリカのお陰だという自負心もあるだろうし、その日本がアメリカの利益を犯しているという主張をトランプ大統領は繰り返している。日本にどれだけ強い要求をしてもいいと思うのは、日本の戦争責任があるからだろう。
 同様に、中国は現在の台湾を手中に収め、世界に覇権を進めるためには、日本の戦争責任を追及する必要がある。
 そんな両国の思惑が共通した結果の共同宣言なのだろう。
 それは両国ともに、日本をけん制し、どちらの国にとっても日本を自分の思う通りに利用したいということなのだと思う。そういう意味では日本の利用価値はどちらにもあるということだろうが、利用される価値が無くなれば、いつでも捨てられるという意味でもある。

 しかし、もし本当にアメリカと中国が仲良くなり、アメリカが中国に台湾だけではなく日本も支配下においていいと言ったら、日本には即日中国の旗が立つだろう「恐怖」を味わわされたのではないだろうか。背筋に冷たいものを感じた。
 日本に主権など無い。

 私は戦後生まれで、戦争をしたことはない。生まれた時から日本の戦争責任を背負わさされて来た。やったこともない犯罪によって投獄されているようなもので、「冤罪だ」と言いたい。
 しかし、日本の国としての責任は消えない。戦後の日本人が思っているほど世界は甘くない、歴史は軽くない。「戦後の日本が戦前の日本と全く関係ない」と言えるほどに、別の国になったわけでもない。
 天皇制は引き継がれ、「国体護持」を主張し、特に最近では「右傾化」が強い。日本の国が「日本ファースト」を主張し、「核武装」まで言及している。
 もし、中国、ロシア、北朝鮮、韓国も含めてもいいかも知れない、日本が軍事国家に戻ろうとしていると「見做せば」、単独でも日本に攻め込んで来られる。
 それが、「敵国条項」である。
 それを「削除しろ」と言ったとしたら、日本が国際連盟を蹴ったのと同じことにならないだろうか。その後は軍事国家として邁進することになったのは世界が知るところだ。
 ICCの「法の支配」を主張しながら、その一方で「敵国条項の削除」は「法の改悪」と見做されるのではないだろうか。
 日本は独立国となることは半永久的になくなったような気がした。
 折角、平和国家として世界に認めてほしいと戦後八十年汗水を流して来たが、そのすべてが消し飛んだような印象さえある。
 また、再び八十年と言わず、永遠に世界平和のために励み続けなければならないのだろう。
 今回の米中首脳会議はこの「日本に冷や水をかける」が目的だったように見える。

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