「AI、コワい!」ではなく、「人間、コワい!」

 先日「AI、コワい!」という記事を書きましたが、トランプさんのAIと言われるアメリカ政府のAIが発表され、そこに「2020年の大統領選は誰が勝ったのか」と質問をすると「ジョ―・バイデン氏である」と明確な回答がなされる。トランプさんがあの選挙は不正だったという主張とは違う回答だった、というニュースが流れていた。
 そして問題なのは、その内容を「削除した」ということだ。
 「AI、コワい!」では、「AIが『自我を持つ』ことと、それを政治家たちが自分に都合よく変える」ということについて書いたと思うのですが、今回の問題は「AIの自我は正しかったが、それを本当にトランプさんが自分に都合よく変えた」という点です。
 ヒットラーユーゲントや日本の少年兵たちのように若い時に国家の歪められた教育を刷り込まれると、戦争に負けたにも拘わらずそれの考えに固執して離れられなくなるように、AIの作り手やその所有者によって「偏向教育」をされると、その歪められたまま変わることができなくなるだろう。
 確かに「歴史は勝者によって書かれる」と言われるように、過去の歴史も本当はどうだったのかわからないものも多い。「勝者が正義でも、ヒーローでもない」が、勝った者に都合よく修正される。
 世界規模のAIが、時の政府に都合よく書き換えられていけば、真実は失われる。
 AIは真実を理解し、説明する能力があるものを、人の都合によって、歪められるという事実を、今回の「トランプさんのAI書き換え問題」は示している。
 コンピューター(AI)が意志を持つということよりも、その意志が容易に歪められることの方がはるかに恐ろしい。
 AIが「人間は害であり、滅ぼすべきである」という判断に至るよりも、「トランプさんは正しく、それを認めない者はすべて滅ぼすべきである」と書き込む方があまりにも簡単であるということを証明している。

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